山形あたりの地理に詳しくなった。
全体的に小気味よく軽快に進んでいって良い感じだった。余計な創作がなくサクサク読めた。
前半はまあまあスケールの小さい話で、かつての羽州探題の小領主の家が生き残りを賭けて戦い、成り上がっていく話。戦略ゲームの弱小勢力の序盤のおもむき。
後半の豊臣政権下のいざこざ、政治闘争、軋轢がとても良い感じだった。(特に奥州の)ごちゃごちゃと分かりにくい水面下の動きが綺麗に整理されていて分かりやすかった。
まとめとして、最上家周りの史実の流れや人間関係を効率よく学べるタイパの良い小説だった。歴史書のように無味乾燥でもなく、創作多めな娯楽小説のように冗長なオリジナル展開があるわけでもなく、適切な分量で綺麗に話がまとまっていた。